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特別児童扶養手当は手帳がなくても申請可能! 対象者や内容を紹介

2018/08/08

特別児童扶養手当は手帳がなくても申請可能! 対象者や内容を紹介

特別児童扶養手当は、障害のある児童が安心して豊かに暮らせるように、国から支給される手当です。支給を受けるには申請手続きが必要ですが、受給資格や手続きの仕方が分からない人もいることでしょう。この記事では、特別児童扶養手当について、どんな児童が対象となるのか、受給の手続きはどうしたらいいのかなどについて見ていきます。

  1. 特別児童扶養手当の概要
  2. 特別児童扶養手当の認定基準について
  3. 特別児童扶養手当の内容
  4. 特別児童扶養手当の手続きの仕方
  5. 特別児童扶養手当の使い方
  6. 特別児童扶養手当に関するよくある質問

この記事を読むことで、特別児童扶養手当について詳しく知ることができます。


1.特別児童扶養手当の概要

まずは特別児童扶養手当の概要について見ていきましょう。

1-1.本人ではなく保護者に支給される手当

特別児童扶養手当は、障害を持つお子さん本人ではなく、養育する保護者の方に支給される手当です。名称を略して「特児手当」「トクジ」と呼ばれることもあります。

1-2.目的は障害を持つ子の豊かな暮らし

障害を持つ児童が豊かで幸せに暮らせるように、国が支給するものです。ここでいう「児童」とは小学生のことではなく、20歳未満の者のことを指します。

1-3.支給の要件

1-3-1.支給の対象は本人を育てている人

精神・知的または身体に障害を有する20歳未満の子どもを育てている父母や、親に代わって子どもを扶養している人に支給されます。申請により一定の要件を満たしていると認められれば手当の受給が可能です。

1-3-2.支給されないのはこんなとき

  • 受給者の所得が限度額を超えているとき
  • 対象となる子どもと受給者が国内に住んでいないとき
  • 障害を理由とする年金を受けることができるとき
  • 児童福祉施設などに入所しているとき(通所施設を除く)

1-3-3.所得制限について

受給者本人もしくは配偶者の前年の所得が一定額以上であると受給資格は得られません。この場合の所得は、受給対象者の合算ではなく、もっとも所得が高い人の所得を基準とします。
所得制限の具体的な金額(出典:厚生労働省)

2.特別児童扶養手当の認定基準について

特別児童扶養手当の受給を受給するには、審査により認定を受ける必要があります。ここでは、認定基準について見てみましょう。

2-1.障害の度合いによる2つの等級

特別児童扶養手当は、養育する子どもの状態によって1級と2級に分けて認定しています。

  • 1級(重度の障害):日常生活において、常時介助か保護がないと生活できない障害。おおむね身体障害者手帳12級程度、療育手帳の判定がA程度、精神障害者保健福祉手帳1級程度
  • 2級(中度):身体障害者手帳3級程度または日常生活が著しい制限を受ける程度の知的障害もしくは精神障害

参考:特別児童扶養手当障害程度認定基準

2-2.等級により異なる支給額

支給額は等級により異なります。平成30年4月より適用された等級ごとの月額は以下のとおりです。ただし、物価の変動などにより、今後改定されることもあります。

  • 1級認定の場合:51,700円
  • 2級認定の場合:34,430円

3.特別児童扶養手当の内容

特別児童扶養手当の内容を詳しく見ていきましょう。

3-1.手当の支給は年に3回

毎年4月・8月・11月に、4か月分ずつまとめて支給されます。支給されるのは、申請が承認された翌月分からです。申請前の月にさかのぼって支給されることはありません。特別児童扶養手当の支給期間は、最長お子さんが20歳になる誕生月までです。

3-2.1回の支給額は4か月分の合計

支給額は月額で計算されますが、実際の支給は4か月分を合算した金額が1年に3回振り込まれます。4月に支払われるのは12~3月分、8月に支払われるのは4~7月分、11月に支払われるのは8~11月分です。

3-3.決まりごと

特別児童扶養手当は、申請さえすれば誰でももらえるわけではありません。提出した書類を審査し、「受給者の所得」と「子どもの障害の度合い」という2つの側面により、支給の可否を決定します。この審査基準は全国一律ではなく、都道府県単位で少しずつ異なるため窓口に確認が必要です。

4.特別児童扶養手当の手続きの仕方

特別児童扶養手当は国の制度ですが、手続きは住所地の市区町村の窓口で行います。ここでは手続きの仕方について見てみましょう。

4-1.必要な書類など

支給の手続きは、住所地の市区町村の窓口に必要な書類をそろえて申請します。提出書類は自治体により若干異なることもあるため、あらかじめ窓口に問い合わせてください。以下に一般的に必要なものを記載します。診断書など、用意するのに時間がかかるものもあるため、余裕を持って準備しましょう。

  • 戸籍謄本:請求者と対象児童のもの。本籍地にて取得する
  • 住民票の写し:請求者と対象児童が含まれる世帯全員のもの
  • 療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・身体障害者手帳のいずれか(取得している場合)
  • 診断書(手帳を取得していない場合):特別児童扶養手当用の診断書を窓口で受け取り、医師に記入してもらう。申請月または前月に書かれたもののみ有効
  • 所得証明書
  • 請求者の印鑑
  • 振込先口座申出書:請求者名義の口座。インターネット銀行は不可の場合がある
  • マイナンバーカード、またはマイナンバーが確認できるものおよび身元確認書類(免許証・パスポートなど)

4-2.最初の手続き方法

特別児童扶養手当は、療育手帳や障害者手帳を持っていなくても申請することが可能です。ここでは最初の手続きについて見てみましょう。
申請から判定結果が出るまでは、3か月ほどかかります。日程に余裕を持って手続きを進めましょう。

  1. 住所地の市区町村役場に行き「特別児童手当認定診断書」をもらう
  2. 病院で検査を受け、診断内容を記入してもらう
  3. 診断書以外の必要書類もそろえて窓口に提出
  4. 所得確認後に障害の程度を審査
  5. 判定結果をもとに手当証書を作成
  6. 手当の通知を送付

※申請の前に面談が必要な場合があります。

4-3.定期的に必要な手続き

4-3-1.1年に1回の現況届

特別児童扶養手当の受給期間中は、毎年8~9月の特定期間に受給者の「所得状況届」を提出する必要があります。これは、受給者の所得が基準以下であることを確認するものです。事前に役所から通知が来るので、忘れずに提出しましょう。

4-3-2.更新の手続き

特別児童扶養手当は、原則として2年に1回の更新が必要です。更新時には、初めて申請したときと同様の診断書や手帳が必要となります。更新の申請は毎年3月・7月・11月です。

4-4.注意点

特別児童扶養手当の更新は申請時期が決まっているため、その時期になると専門医がいる医療機関は、診断書発行の予約で込み合います。半年から数か月前でないと予約が取れないこともあるため、早めに予定を組みましょう。  

5.特別児童扶養手当の使い方

特別児童扶養手当は、使い道が指定されているわけではありません。子どもの豊かな暮らしを実現するために、各家庭の実情に合わせた使い方をすることが可能です。どのように利用しているか一例を挙げてみましょう。

  • デイサービスなどの福祉サービスに使う
  • 民間療法や支援グッズの購入など、試してみたかったことを取り入れてみる
  • 子どもの将来のために蓄えておく
  • 学資保険や生命保険に加入する

6.特別児童扶養手当に関するよくある質問

特別児童扶養手当に関するよくある質問をまとめました。

Q1年に1回の所得状況届を出さないとどうなるでしょう?
A.8月以降の手当が受給できなくなります。2年間提出しないでいると、受給の権利を失うため、必ず提出しましょう。

Q.療育手帳の申請中で発行待ちの状態です。手帳がなくても申請できますか?
A.手帳の有無は受給資格の審査には関係ありません。手帳がなくても診断書による申請が可能です。

Q20歳以降に受給できる手当はあるでしょうか?
A.「障害基礎年金」の請求手続きをすることで、障害年金を受給することができます。窓口は社会保険事務所です。

まとめ

特別児童扶養手当は、療育手帳や障害者手帳がなくても申請することができる制度です。お子さんの豊かな暮らしのために、ぜひ活用することも視野にいれてはいかがでしょうか?