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学習障害の症状や診断方法について~特性を理解するための4項目~

2017/10/04

学習障害の特徴や症状

学習障害は発達障害の一つで、知的発達に遅れはないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」などのうち、いずれかの習得や使用が難しいというのが主な特徴です。コミュニケーション能力に問題がなく、特定の分野を除いては理解力も高いため、学習障害であると気づかれず、単に「勉強が苦手な子」と思われているケースも多いのです。しかし、学習障害は本人の努力不足ではありません。周囲から理解を得られずに苦しんでいる子どもも多いでしょう。

学習障害は早期発見・早期療養によって、症状を改善することが可能です。この記事では、学習障害に関する知識や診断方法・関わり方などについて考えていきたいと思います。

  1. 学習障害の基礎知識
  2. 学習障害の特徴
  3. 学習障害の診断について
  4. 学習障害を持つ子どもとの関わり方
  5. まとめ

1.学習障害の基礎知識

まずは、学習障害についてまとめました。

1-1.学習障害とは?

学習障害とは、「読む」「書く」「聞く」「話す」「計算する」「推論する」のうち、いずれかまたは複数の能力に困難がある状態のことをいいます。知的面の遅れはなく、一見順調に育っているように見えるため、小学校に入学して勉強を始めるまでは症状に気づかないことがほとんどです。

比較的軽度な発達障害といわれていますが、ADHD(注意欠陥多動性障害)や自閉症スペクトラムなどが併存している例も多く見られ、適切な対応が求められます。また、本人の意欲低下などにより、引きこもりや不登校などの二次障害が起こる恐れもあるため、周囲が理解し、関わり方を考えていくことが大切です。

1-2.学習障害の種類

学習障害を医学的に分類すると以下の3つがあります。

  • 読字障害:読む能力に困難がある
  • 書字障害:書く能力に困難がある
  • 算数障害:数字に関する能力に困難がある

それぞれの特徴については、次の項で詳しく見ていきます。

2.学習障害の特徴

学習障害の特徴である「読字障害」「書字障害」「算数障害」について、具体的な症状を見ていきましょう。

2-1.読字障害

具体的には、以下のような症状が特徴的です。

  • 本などをスムーズに読むことができず、読むのに時間がかかる。
  • 単語や行を正しく追うことが難しく、飛ばして読んでしまう。
  • 文章の内容を正しく理解することが難しい。
  • 漢字の音読みと訓読みを使い分けるのが苦手。

2-2.書字障害

  • 漢字を書くと鏡文字になってしまうことが多い。
  • 学年相応の漢字を書くことができない。
  • まっすぐ文字を書くことができず、文字の大きさをそろえられない。
  • 句読点を正しく打つことができない。

2-3.算数障害

  • 数を覚えるのに時間がかかる。
  • 九九を覚えられない。
  • 繰り上がり、繰り下がりが理解できない。
  • 計算式を覚えるのに時間がかかる。

3.学習障害の診断について

学習障害の診断について、適切な時期や診断内容・相談先などをご紹介します。

3-1.診断の時期

学習障害かどうかを正しく判断するためには、専門機関への相談や受診が必要です。「治療できるものではないので意味がないのではないか?」と思う親御さんも多いでしょう。しかし、適切なサポートを受けることで、生活するうえで感じる「困難」を取り除いてあげることは可能になります。就学後、学習障害の疑いを抱いた時点で、専門機関を受診するのがおすすめです。

3-2.診断方法について

医療機関で診断を受ける場合、一般的にはまず問診が行われ、DSM-V(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)やICD-10(『国際疾病分類』第10版)の基準によって診断されます。場合によっては、『WISC-Ⅳ』などの知能検査、『KABC-Ⅱ』や『DN-CAS』などの認知能力検査が行われることもあるでしょう。これらの結果をもとに、総合的に判断されます。

3-3.相談することの重要性

学習障害の疑いを感じても、すぐに医療機関を受診することには抵抗があると思います。まずは、身近な専門機関に相談してアドバイスをもらうと良いでしょう。子どもの場合、保健センター等に相談窓口があります。必要であれば医療機関を紹介してもらうことも可能です。ぜひ相談してみてください。

学習障害の子どもを持つ親御さんにとって、誰かに相談することは非常に大切です。「なぜうちの子だけできないのか」「自分の育て方が悪かったのか」と一人で悩まずに、子どもが抱える症状についてしっかりと理解し、向き合ってください。

3-4.事前に準備しておくこと

医療機関を受診する際は、問診が非常に重要になります。どのようなきっかけで学習障害の疑いを持ったのか、今までの成長の様子が分かる母子手帳や育児日記、日常的な様子をメモしたものなどを用意し、伝わりやすいように準備しておきましょう。

4.学習障害を持つ子どもとの関わり方

学習障害の子どもとの関わり方についてまとめました。

4-1.特性理解の重要性

まず、その特性を理解することが大切です。苦手な分野をうまくカバーし、「成功者」と呼ばれるまでに成長し、世の中で活躍している人もたくさんいます。その子の特性を理解したうえで適切な支援を受け、子どもの人生における「負担」を減らしてあげることを考えてください。

4-2.家庭での関わり方

家庭においては、子どもが安心して学習できる環境を作ってあげることが大切です。具体的には、以下のようなポイントがあります。

  • できなくても叱らない。
  • 厳しいやり方で教えようとしない。
  • できたことを十分にほめてあげる。
  • 静かに落ち着いて学習できる環境を作る。

4-3.学校などでの関わり方のポイント

学校の授業では、担任教師一人ではなく、ほかの教師も含めて一緒に支援してもらうと一つ一つの問題が解決しやすくなります。書くことが苦手な子には大き目のマスがあるノートでなぞり書きをさせる、読むことが苦手な子には文字と音を関連づける訓練をするなど、方法はいろいろあるでしょう。

4-4.関わり方においての注意点

学習障害の子どもをほかの子どもと比べても良いことは一つもありません。比較することは本人にとっても親御さんにとってもストレスの原因になります。

中には、イライラして子どもに厳しく当たってしまうこともあるでしょう。しかし、そういった行動によって子どもは劣等感を持ち、社会で生活を送る意欲を失ってしまいます。

学習障害によって起こる困難には、正しく対処することで解決できることも少なくありません。苦手なことについては、それぞれに合った対処法を見つけ、できることを伸ばしていってあげてください。

まとめ

いかがでしたか? この記事では、学習障害の特徴や種類・関わり方などについて見ていきました。学習障害はまだ概念として歴史が浅いため、周囲の理解も得られにくいことも多いでしょう。

まずは、学習障害についてしっかりと理解し、その特性を認めることから始めてください。そして、どうやってその症状と向き合っていくかをしっかりと考え、お子さんが毎日の生活で感じる困難を少しずつ取り除いていきましょう。